この記事の対象読者
- 京都大学(理系学部)を目指す受験生
- 京大入試の戦略的なアプローチを知りたい人
- 科目別の具体的な対策法・参考書ルートを知りたい人
執筆者紹介
偏差値40台から2年間で京都大学医学部医学科に合格。共通テストは94%(848/900)、京大模試では全国14位(総合偏差値82)を記録し、本番では合格最低点を120点上回る成績で合格しました。
京大入試の基本戦略
卓越した戦略が、合格への最短経路を切り開きます。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」。まずは敵(入試)と己(現状)を正確に把握することから始めます。
合格に必要な得点(ゴールの把握)
まずは合格に必要な点数(ゴール)を知りましょう。合格最低点ギリギリではなく、余裕を持った目標設定が重要です。
| 志望 | 目標得点率 | 備考 |
|---|---|---|
| 京大理系(医・情以外) | 60% | ほとんどの年で合格最低点を超える |
| 情報学科 | 65% | 近年難化傾向 |
| 医学科 | 75% | 全科目で高水準が必要 |
学部ごとの配点傾斜
学部ごとに配点傾斜が大きく異なるため、科目ごとに1点の重みが異なります。志望学科の配点を必ず確認してください。
- 医学科:英語が2倍、理科が1.5倍配点 → 英語と理科の対策が特に重要
- 工学部:共テ社会が2倍配点 → 共テ社会の対策が他科目より重要
目標総合点の内訳を志望学科ごとに組み、勉強時間の配分を考えましょう。
受験生の4タイプと戦略(己を知る)
自分の得意分野・努力特性を見極めて戦略を立てます。
- 英語・化学・国語を盤石にする
- 生物選択も視野に入れる
- 共テで稼ぐ先行逃げ切り戦略
- 数学・物理・化学で荒稼ぎ
- 戦略を間違えなければ余裕合格
- 効率重視で他科目の基礎固め
最適な得点配分
① 数弱×努力家タイプの場合
英語・国語・化学をガッチリ固めて先行逃げ切り
共テ・英・国・化は、勉強時間を掛ければ得点は安定して伸びやすい科目です。
| 志望 | 英語 | 国語 | 数学 | 物理 | 化学 | 共テ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 京大理系 | 70% | 50% | 45% | 50% | 65% | 85% | 60%↑ |
| 情報学科 | 75% | 50% | 50% | 55% | 70% | 90% | 65%↑ |
| 医学科 | 80% | 55% | 65% | 65% | 80% | 90% | 75%↑ |
② 数強×努力家タイプの場合
全教科のオールラウンダーで、他を圧倒して快勝する
数学が得意な場合、物理・化学も得意科目に出来るケースが多いです。
| 志望 | 英語 | 国語 | 数学 | 物理 | 化学 | 共テ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 京大理系 | 65% | 45% | 70% | 60% | 60% | 85% | 65%↑ |
| 情報学科 | 70% | 50% | 75% | 70% | 70% | 90% | 70%↑ |
| 医学科 | 75% | 60% | 80% | 80% | 80% | 90% | 80%↑ |
③ 数強×怠惰タイプの場合
数学理科で突破する逆転合格する差し馬
圧倒的な数学力で理科を高速で仕上げ、逆転合格するモデルケースです。
| 志望 | 英語 | 国語 | 数学 | 物理 | 化学 | 共テ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 京大理系 | 45% | 40% | 70% | 60% | 60% | 80% | 60%↑ |
| 情報学科 | 50% | 40% | 75% | 70% | 70% | 80% | 65%↑ |
| 医学科 | 60% | 45% | 90% | 80% | 80% | 85% | 75%↑ |
④ 数弱×怠惰タイプの場合
まずは1日10時間安定して勉強できる耐性を身につけましょう! その後、①のタイプへ移行します。
必要な勉強時間
京大合格に必要な勉強時間の目安です(英検準2級程度、中学数学履修済み、偏差値65の高校に通う新高1を前提)。
| 志望 | 英語 | 国語 | 数学 | 物理 | 化学 | 共テ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 京大理系 | 1300h | 200h | 1200h | 600h | 600h | 300h | 4200h |
| 情報学科 | 1500h | 200h | 1600h | 800h | 800h | 300h | 5200h |
| 医学科 | 2200h | 300h | 2200h | 1100h | 1100h | 400h | 7300h |
京大合格への時間確保
科目別戦略:英語編(150点満点)
科目特性と大局観
受験英語の全体像
英語は勉強時間に応じて着実に得点が伸びる最重要科目です。学習順序を誤らなければ、投下した時間に応じて必ず得点が伸びます。
京大英語の特徴
- 英文和訳:構造把握が最重要。構造が取れていなければ大幅減点
- 和文英訳:日本語をそのまま訳さず、「英訳できる日本語」に和文和訳してから訳す
- 自由英作文:ミスしないように平易な表現で書き切れば得点源になる
- 過去問と京大オープンの過去問をやり込むことが最重要
学習順序(基礎固め)
第一段階(知識習得):単語・熟語 → 文法
第二段階(技能習得):英文解釈 → 長文読解
第三段階:英作文・リスニング
高校2年生までに基礎固めを終了し、高3から過去問対策に移れると理想です。
基礎固めの参考書リスト
| 分野 | 推奨教材 |
|---|---|
| 単語・熟語 | 英検2級パス単→鉄壁、速読英単語上級編 |
| 文法 | 総合英語Evergreen→Next Stage |
| 英文解釈 | 肘井学の読解のための英文法→英文読解の透視図 |
| 長文読解 | The Rules Lv1-4 |
| 英作文 | 竹岡の面白いほど英作文が書ける本 |
大問別出題形式と対策参考書
| 大問 | 出題概要 | 対策参考書 |
|---|---|---|
| [1][2] 英文和訳 | 構造を正確に把握し、日本語で自然に表現する | 英文和訳演習、透視図、京大入試に学ぶ英語難構文の真髄 |
| [3] 和文英訳 | 日本語を英訳しやすい形に変換してから訳す | 竹岡の面白いほど英作文が書ける本、和文英訳教本 |
| [4] 自由英作文 | 平易な表現でミスなく書き切る | 基礎英作文問題精講 |
英語学習ルート(105/150目標)
モデルルート(本試105/150)
高1
- シス単、読解のための英文法
高2
- 鉄壁、英文和訳演習中級編、おも英
- 目標:共テ同日85%
高3
- 透視図、京大過去問27年、和文英訳教本
実例(本試116/150)
高3で京大実戦偏差値45からスタートし、浪人を経て本番で116点(偏差値75)を獲得。『英文解釈教室』『透視図』『和文英訳教本』などを徹底的にやり込みました。
科目別戦略:数学編(200点満点)
科目特性と大局観
受験数学の全体像
向き不向きがあり、点数の振れ幅が大きい科目です。
京大数学の特徴
- 誘導が少ない(自ら誘導を立てる力が必要)
- 小問集合はAll or Nothing採点
- 年度による難易度差が激しい
- 過去問が再び出題されることがある
学習順序
まず定石を収集し、次にそれを組み合わせる鍛錬を積む
- 解法蓄積(定石の収集):網羅系問題集、定石と問題が1対1に対応
- 解法選択(定石の組合せ):入試問題集、複数の定石の組み合わせ
伸び悩む理由
- 全問解こうとする
- 簡易な計算問題を落とす
- 計算ミスで雪崩
- 選球眼を鍛えて問題選択
- 計算を最後まで合わせきる
- 普段から誘導なしで考える
教材選定
| レベル | 教材 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 網羅系 | 青チャート、Focus Gold | 800時間 |
| 入試問題集Lv1 | 1対1対応の演習、スタンダード演習 | 200-300時間 |
| 入試問題集Lv2 | ハイレベル数学の完全攻略、新数学演習、入試数学の掌握 | 150-300時間 |
| 過去問 | 鉄緑会京大数学問題集 | 60時間〜 |
得点最適化の理論
「選球眼」を鍛えることが重要
『大学への数学』などの難易度評価(A-D)と自分の感覚を擦り合わせ、解くべき問題と捨てる問題を見抜く訓練をしましょう。
数学学習ルート(120/200目標)
モデルルート(本試120/200)
高1
- 青チャートIAIIBIII
高2
- 1対1対応IAIIBIII
- 目標:共テ同日85%
高3
- 京大過去問27年、上級問題精講
モデルルート(本試160/200)
高2
- 新スタ演IAIIBIII
高3
- 掌握、新数学演習
実例(本試170/200)
浪人時に『掌握』『新数学演習』をやり込み、京大模試で偏差値78、本番で170点(偏差値85)を記録しました。
科目別戦略:物理編(100点満点)
科目特性と大局観
学習順序
力学がすべての基本です。力学 → 波動・熱・電磁気 → 原子 の順に進めます。
京大物理の特徴
- 穴埋め形式(文章自体が誘導になっている)
- 前半は基本的、後半になるにつれて難しい
- グラフを描かせる問題あり
- 雪崩(途中ミスによる大量失点)に注意
伸び悩む理由
- 公式の本質を理解していない
- 定性的に現象を理解できない
- 次元チェックを怠る
- 定性的に現象を理解し、グラフを描けるようにする
- 雪崩に注意し、次元チェックを徹底
- 微積は必須ではないが、8割以上安定させたいなら学ぶと良い
大問別出題形式
| 大問 | 出題概要 |
|---|---|
| 1: 力学 | 単振動、円運動など |
| 2: 電磁気 | 電磁誘導、回路など |
| 3: 波動・熱力学・原子 | 交互に出題傾向 |
参考書リスト
| カテゴリ | 参考書 |
|---|---|
| インプット | 物理教室、物理のエッセンス |
| 基礎固め | リードα、良問の風、体系物理 |
| 問題演習 | 名問の森、難問題の系統とその周辺 |
| 過去問 | 赤本、青本 |
物理学習ルート(65/100目標)
モデルルート(本試65/100)
高2
- 体系物理、良問の風
- 目標:共テ50%
高3
- 名問の森、京大過去問27年
実例(本試90/100)
浪人時に『新・物理入門』『難系』『標準問題精講』に取り組み、本番で90点を獲得。
科目別戦略:化学編(100点満点)
科目特性と大局観
学習順序
理論を基礎としつつ、得点源は有機化学です。
京大化学の特徴
- 有機が肝(配点は理論と同じだが点は取りやすい)
- 単純暗記ではなく、化学現象を深く理解し、自分の言葉で説明できるようにする
伸び悩む理由
- 単純暗記に頼っている
- 現象の理由を説明できない
- 有機化学の対策が不十分
- 化学現象を深く理解する
- 自分の言葉で説明できるようにする
- 『化学記述・論述問題の完全対策』がおすすめ
大問別出題形式
| 大問 | 出題概要 |
|---|---|
| 1, 2: 理論・無機 | 融合問題が多い |
| 3: 有機 | 構造決定中心 |
| 4: 有機 | 高分子(糖類とアミノ酸が交互に出る傾向) |
参考書リスト
| カテゴリ | 参考書 |
|---|---|
| インプット | 福間の無機、鎌田の有機、新研究 |
| 基礎固め | セミナー化学 |
| 問題演習 | 重要問題集、化学の新演習 |
| 過去問 | 赤本、青本 |
化学学習ルート(65/100目標)
モデルルート(本試65/100)
高2
- セミナー、重要問題集
- 目標:共テ50%
高3
- 鎌田の有機、化学の新演習、京大過去問27年
実例(本試91/100)
浪人時に『化学の新体系』『新理系の化学』『化学100選』などをこなし、本番で91点を獲得。
科目別戦略:国語編(100点満点)
科目特性と大局観
京大国語の特徴
- 時間はたっぷりある(速さより丁寧さ)
- 記述量が多い
- 大きな差はつかない(平均40〜45点)
- 古典は比較的簡単なので、丁寧にやり込んでおく
参考書リスト
| カテゴリ | 参考書 |
|---|---|
| 現代文 | 現代文読解の基礎講義、上級現代文 |
| 古文 | 古文単語315、古典文法10題ドリル |
国語学習ルート(45/100目標)
モデルルート(本試45/100)
高1-2
- 古文単語315、古典文法10題ドリル
高3
- 漢文早覚え即答法、京大過去問
実例(本試67/100)
浪人時に『漢文句法ドリル』や駿台の講義を活用し、本番で67点を獲得。
モデルルート(京大理系志望)
高1
| 時期 | 英語 | 数学 | 理科 |
|---|---|---|---|
| 4〜7月 | シス単、文法 | 青チャートIA | - |
| 8〜12月 | 解釈基礎 | 青チャートIIB | 物理エッセンス |
| 1〜3月 | 解釈応用 | 青チャートIII | 化学基礎 |
高2
| 時期 | 英語 | 数学 | 理科 |
|---|---|---|---|
| 4〜7月 | 鉄壁、透視図 | 1対1(IA・IIB) | 良問の風、セミナー |
| 8〜12月 | 英作文基礎 | 1対1(III) | 名問の森、重問 |
| 1〜3月 | 和文英訳演習(共テ85%目標) | 新スタ演(共テ85%目標) | 有機化学演習(共テ50%目標) |
高3
| 時期 | 英語 | 数学 | 理科 | 国語 |
|---|---|---|---|---|
| 4〜7月 | 過去問開始 | 上級問題精講 | 過去問演習 | 基礎固め |
| 8〜11月 | 過去問27年 | 過去問27年 | 過去問27年 | 過去問 |
| 12〜2月 | 直前演習 | 直前演習 | 直前演習 | 直前演習 |
3年間の全体像
実際の合格者の得点例
京大医学科合格者(CHOCO・1浪)
| 科目 | 得点 |
|---|---|
| 共通テスト | 848/900(94.2%) |
| 国語 | 67/100 |
| 数学 | 170/200 |
| 物理 | 90/100 |
| 化学 | 91/100 |
| 英語 | 116/150 |
京大模試全国14位(総合偏差値82)、全国22位(総合偏差値80)の実績を持つ。2年間で総合偏差値49→82という驚異的な伸びを実現。本番では合格最低点を120点上回る成績で合格。
- 合計60%が目安
- 数学2〜3完でOK
- 苦手科目があっても挽回可能
- 合計75%が目安
- 数学4完以上が必要
- 全科目で高水準が求められる
まとめ
- 目標得点を明確に:京大理系は60%、情報学科は65%、医学科は75%を目安に
- 自分のタイプを把握:数学の得意/苦手、努力量に応じた戦略を立てる
- 配点傾斜を確認:医学科は英語2倍、工学部は共テ社会2倍など
- 参考書は定番を確実に:青チャート、鉄壁、名問の森など実績のある教材を使う
- 過去問は27年分:京大の傾向を体に染み込ませる
京大入試は、正しい戦略と十分な努力があれば、確実に合格できる試験です。
“If You Act the Genius, You Will Be One.” (天才に成るには、天才のふりをすればいい) — サルバドール・ダリ
自分の可能性を信じ、まだ見ぬ才能を解き放ってください!