この記事の対象読者
- 東京大学(理科一類・二類・三類)を目指す受験生
- 東大入試の戦略的なアプローチを知りたい人
- 科目別の具体的な対策法・参考書ルートを知りたい人
東大入試の基本戦略
卓越した戦略が、合格への最短経路を切り開きます。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」。まずは敵(入試)と己(現状)を正確に把握することから始めます。
合格に必要な得点(ゴールの把握)
総合で何点取る必要があるか、まずゴールを把握します。合格最低点ギリギリではなく、少し余裕を持った目標設計が重要です。
| 科類 | 目標点 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 理科一類・二類 | 340点 | 550点満点 | ほとんどの年で合格最低点を超える |
| 理科三類 | 390点 | 550点満点 | 全科目で高水準が必要 |
受験生の4タイプと戦略(己を知る)
自分の得意分野・努力特性を見極めて戦略を立てます。
- 英語・化学・国語を盤石にする
- 生物選択も視野に入れる
- 共テで稼ぐ先行逃げ切り戦略
- 灘・筑駒最上位層に多い
- 戦略を間違えなければ余裕合格
- 数学・物理・化学で荒稼ぎ
最適な得点配分
① 数弱×努力家タイプの場合
英語・国語・化学をガッチリ固めて先行逃げ切り
共通テストや英語・国語・化学は、勉強時間を掛ければ得点は安定して伸びやすいです。これらの科目に時間を割いて逃げ切るのが理科一類・二類の戦略。理科三類の場合は、英語100点以上も視野に入れる必要があります。帰国子女や手厚い早期英語教育を受けた学生に多く見られる得点パターンです。
| 科類 | 英語 | 国語 | 数学 | 物理 | 化学 | 共テ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 理一・二 | 85 | 45 | 40 | 30 | 40 | 100 | 340 |
| 理三 | 95 | 45 | 60 | 40 | 45 | 105 | 390 |
② 数強×努力家タイプの場合
全教科のオールラウンダーで、他を圧倒して快勝する
数学が得意な場合、物理・化学も得意科目に出来るケースが多いです。共通テストや英語は、ある程度のラインより上の点数を取るには時間がかかるため、以下のような得点配分が、所要時間を最小化する一つのモデルケース。超進学校の最上位層に多く見られる得点パターンです。
| 科類 | 英語 | 国語 | 数学 | 物理 | 化学 | 共テ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 理一・二 | 80 | 35 | 70 | 40 | 35 | 95 | 355 |
| 理三 | 90 | 40 | 80 | 45 | 45 | 100 | 400 |
③ 数強×怠惰タイプの場合
数学理科で突破する逆転合格する差し馬
圧倒的な数学力を武器に、理科を高速で仕上げて、逆転合格するモデルケース。伸ばすのに時間がかかる英語・国語・共テは最低限の得点を確保して、数理に特化。超進学校の深海魚に多く見られる得点パターンです。
| 科類 | 英語 | 国語 | 数学 | 物理 | 化学 | 共テ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 理一・二 | 60 | 30 | 80 | 45 | 35 | 90 | 340 |
| 理三 | 70 | 35 | 100 | 45 | 45 | 95 | 390 |
④ 数弱×怠惰タイプの場合
まずは1日10時間安定して勉強できる耐性を身につけましょう! その後、①のタイプへ移行します。
必要な勉強時間
東大合格に必要な勉強時間の目安です(英検準2級程度、中学数学履修済み、偏差値65の高校に通う新高1を前提)。
| 科類 | 英語 | 数学 | 国語 | 物理 | 化学 | 共テ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 理一・二 | 1500h | 1500h | 300h | 600h | 600h | 300h | 4800h |
| 理三 | 2200h | 2200h | 450h | 1100h | 1100h | 450h | 7500h |
おおよそ上記の勉強時間が必要になることを理解して、学習計画を策定する。また、自身の特性に応じて、得点を最大化する最適な時間配分を考えましょう。
東大合格への時間確保
科目別戦略:英語編(120点満点)
科目特性と大局観
単語・文法・解釈を固めてから、大問別対策へ移行する
- 基本情報:才能に依存しない。学習順序を誤らなければ、投下した時間に応じて必ず得点が伸びる
- 東大英語の特徴:
- 出題形式が多岐に渡り、各大問ごとに綿密な対策を練る必要がある
- 時間制限が非常に厳しく、素早く英文を処理する高度な読解能力が求められる
- 英語力のみならず、要約や和訳で、高度な日本語運用能力も試される
伸び悩む理由
- 特定の大問への取り組み方・対策方法を知らない
- 時間内に膨大な問題を処理するための最適時間配分を知らない
- 英文処理速度が遅く、十分に解答を吟味する時間がない
- 単語・文法・解釈を固めてから大問別対策へ
- 各大問の時間配分を事前に決めておく
- 大問別特化型演習で処理速度を上げる
学習順序(基礎固め)
第一段階(知識習得):単語・熟語 → 文法 → 英文解釈
第二段階(技能習得):長文 → リスニング → 英作文
高校2年生までに基礎固めを終了し、高3から大問別対策に移れると理想です。
基礎固めの参考書リスト
| 分野 | 推奨教材 |
|---|---|
| 単語・熟語 | 英検2級パス単→鉄壁、速読英熟語 |
| 文法 | 総合英語Evergreen→Next Stage |
| 英文解釈 | 肘井学の読解のための英文法必修編→難関大編→英文読解の透視図 |
| 長文読解 | The Rules Lv1-4、英語長文レベル別問題集5,6 |
大問別出題形式と概要
| 大問 | 出題概要 |
|---|---|
| 1A: 要約 | 300語程度の英文を読み、60-100字程度の日本語で要約。筆者の主張や論旨を的確に把握し、簡潔にまとめる力が求められる |
| 1B: 文挿入 | 700語程度の英文中の空欄に、適切な文や語句を補充。文章の流れや論理構成を理解し、文脈に合った選択肢を選ぶ |
| 2A: 自由英作文 | 60~80語程度の英語で自分の意見や考えを述べる。論理的な構成と明確な主張が求められる |
| 2B: 和文英訳 | 日本語の文章を英語に翻訳。日本語のニュアンスを正確に伝えつつ、自然な英語表現にする力が試される |
| 3: リスニング | 試験開始後45分経過時点で開始、約30分間。500語程度の英文が3つ流れ、各5問ずつ出題 |
| 4A: 誤文訂正 | 文中の誤りを指摘する問題5問。文法知識だけでなく、文脈や語法の理解も必要 |
| 4B: 英文和訳 | 下線部の英文を日本語に訳す。正確な文法理解と英語特有の表現を適切に日本語に置き換える力が求められる |
| 5: 小説 | 800語程度の長文。小説や物語が頻出で、登場人物の心情や物語の展開を把握する読解力が試される |
大問別得点・時間戦略
時間厳しい東大英語では、1分の使い方が命運を分ける
| 大問 | 理一目標 | 理一時間 | 理三目標 | 理三時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1A: 要約 | 7/10 | 10分 | 7/10 | 10分 |
| 1B: 文挿入 | 8/12 | 15分 | 12/12 | 15分 |
| 2A: 自由英作文 | 8/12 | 11分 | 9/12 | 10分 |
| 2B: 和文英訳 | 8/12 | 9分 | 9/12 | 8分 |
| 3: リスニング | 24/30 | 37分 | 26/30 | 37分 |
| 4A: 誤文訂正 | 2/10 | 4分 | 6/10 | 10分 |
| 4B: 英文和訳 | 9/12 | 12分 | 10/12 | 10分 |
| 5: 小説 | 14/22 | 22分 | 17/22 | 20分 |
| 合計 | 80/120 | 120分 | 96/120 | 120分 |
大問別対策参考書
| 大問 | 個別対策 |
|---|---|
| 1A: 要約 | 英文要旨要約問題の解法、英語要旨大意問題演習 |
| 1B: 文挿入 | 早稲田文構大問3 |
| 2A: 和文英訳 | 竹岡の英作文、最難関大への英作文、京大英語の英訳 |
| 2B: 自由英作文 | 基礎英作文問題精講、最難関大への英作文 |
| 3: リスニング | キムタツ赤、ピンク、鉄緑会リスニング |
| 4A: 誤文訂正 | 良問500誤文訂正編、国際医療福祉大学大問3 |
| 4B: 英文和訳 | 英文読解の透視図、大阪大学第1問、京大英語の和訳 |
| 5: 小説 | 神戸大学大問3 |
| 全体対策 | 東京大学過去問(2018-)、河合塾東京大学英語シリーズ、駿台実戦模試演習、ChatGPTによる英作文の添削 |
英語学習ルート(80/120目標)
モデルルート(本試80/120)
高1
- 4月-8月:ネクステ
- 8月-11月:鉄壁
- 11月-2月:肘井学(必修編)
高2
- 4月-8月:肘井学(難関)、The Rules 3,4
- 8月-11月:透視図、長文レベル別5,6
- 11月-2月:速読英単語上級編、速読英熟語
- 目標:共通テスト85%→90%
高3
- 4月-8月:東大過去問2018-、模試の過去問2018-、英文要旨要約問題の解法
- 8月-11月:キムタツピンク、基礎英作文問題精講
- 11月-2月:キムタツ赤、竹岡の英作文、良問500
- 成績:東大模試偏差値60→65、東大本試80/120
実例
東大理一独学現役合格:本試78/120
高1でネクステと鉄壁を完成。高2で肘井学と透視図を進め、The Rulesで長文読解力を強化。高3で東大過去問2018年以降と模試過去問を徹底的に演習し、本番で78点を獲得。
東大理三独学現役合格:本試94/120
早い段階から鉄壁と速読英熟語を完璧に。高2で英文読解の透視図と長文レベル別を消化し、高3でキムタツ赤・ピンク、竹岡の英作文を仕上げ、本番で94点を獲得。
科目別戦略:数学編(120点満点)
科目特性と大局観
自身の適性を見極め、適切な取捨選択を
- 基本情報:適性が明確に存在する。時間を投下しても成績が伸び悩み、東大模試偏差値55前後で頭打ちになるケースも見られる
- 東大数学の特徴:
- 時間制限が非常に厳しい。各大問ごとの難易度の差も激しい
- 例年、2問程度は基本的な問題が出題される。この大問を正しく見極め、絶対に落とさないことが重要
- 超難問が1問程度出題される。この捨て問に、試験会場で手を出さないことも重要
伸び悩む理由
- 応用問題を既知のパターンに帰着させる訓練不足
- 再現性のある解法を用いて問題を解く意識の欠如
- 計算が不正確で処理速度も遅い
- 易問と捨て問を見抜く選球眼が足りていない
- まず定石を収集し、次にそれを組み合わせる鍛錬を積む
- 網羅系→入試問題集Lv1→Lv2の順に学習
- 計算力・思考力・判断力・選球眼を鍛える
- 難易度評価のある参考書で選球眼を訓練
得点最適化の理論
東大数学で合格点を取るために必要な要素は4つ
- 計算力:計算ミスは命取りになる
- 思考力:応用問題の方針を立てる
- 判断力:最適な解法選択
- 選球眼:易問と捨て問を識別する
選球眼の鍛え方
主観的な難易度と、客観的な難易度を擦り合わせる
- 訓練方法:難易度表記が存在する参考書を用いて、各問題を解く都度、その難易度を予想する。自分が予想した難易度と、参考書に記載された難易度の一致不一致を確認する作業を繰り返す
- 具体的な参考書:
- 「大学への数学」シリーズ:A,B,C,Dの4段階の難易度評価に、目安時間まで表記されていて、選球眼を鍛える上で最も便利
- 過去問・模試の過去問:赤本や青本、鉄緑会は難易度評価が記載。模試の過去問は、大問別平均点が書かれており、取るべき問題と捨て問がはっきりわかる
学習順序
まず定石を収集し、次にそれを組み合わせる鍛錬を積む
- レベル0: 解法蓄積(定石の収集):網羅系問題集、定石と問題が1対1に対応
- レベル1: 解法選択(定石の組合せ):入試問題集、複数の定石の組み合わせ
- レベル2: 解法選択(解法の総合判断):入試問題集、複数の解法ルートから適切な方を総合判断
教材選定
| レベル | 教材 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 網羅系 | 青チャート1A2BC3 | 800時間 |
| 入試問題集Lv1 | 1対1対応の演習、新数学スタンダード演習 | 200-300時間 |
| 入試問題集Lv2 | ハイレベル数学の完全攻略、新数学演習、入試数学の掌握、最高難度の理系数学、難問ラプソディ | 150-300時間 |
| 過去問 | 鉄緑会東大数学問題集、駿台、河合、代ゼミ、東進 | 60時間〜 |
おおよその目安:
- 東大理一 → 網羅系 + Lv1から1-2冊 + Lv2から1-2冊 + 過去問
- 東大理三 → 網羅系 + Lv1から1-2冊 + Lv2から3-5冊 + 過去問
数学学習ルート(理一合格者平均)
モデルルート(理一合格者平均)
高1
- 4月-8月:教科書+青チャート1A2B3
- 8月-11月:新スタ演1A2B3
- 11月-2月:1対1 1A2B3
高2
- 目標:共通テスト85%→90%
高3
- 4月-8月:東大過去問20年&新数学演習
- 8月-11月:掌握
- 11月-2月:弱点補強
- 成績:東大模試偏差値60→65、東大本試75/120
実例(本試116/120)
東大理一独学現役合格の足跡
高1で青チャートを完璧に仕上げ、高2で新スタ演と1対1を消化。高3で新数学演習と入試数学の掌握に取り組み、東大過去問20年を徹底演習。本番で**116点(6完)**を達成。東大数学で6完は理三合格者平均を大きく上回る成績。
科目別戦略:物理編(60点満点)
科目特性と大局観
公式の本質を、深く理解することが重要
- 基本情報:数学との相関が強い。公式暗記ではなく、導出まで含めて、その本質を深く理解することが極めて重要
- 東大物理の特徴:
- 分野融合問題が非常に多い。見慣れない装置(物理的構図)が出題される
- 設定を素早く解読する能力と、新しい設定に対応出来る応用力が求められる
- 25年を除き、近年非常に量が増えており、高速に計算を処理し、答えを合わせ切る処理能力と正確性が求められる
伸び悩む理由
- 特定の分野や単元の本質を理解していない(例:交流をベクトル図で解いている)
- 基本原理の適用条件や適用方法を正しく理解できていない
- 計算処理の速度と正確性に欠ける
- 微分積分を適切に用いて物理を理解することが出来ていない
- 公式の本質を深く理解(基本原理からの導出)
- 多くの物理的な構図に触れ、瞬発力と計算力を上げる
- 次元チェック・符号チェックを徹底
- 微分積分を通じて物理を理解する
分野別出題形式
| 大問 | 出題概要 |
|---|---|
| 第1問: 力学 | 振り子の運動解析、二体問題、惑星運動など多岐。近年は原子との融合問題(2023年)も出題 |
| 第2問: 電磁気学 | 電磁誘導、ソレノイド、コンデンサーなど。前半と後半で別テーマが出題されることが多く、穴のない綿密な理解が必要。2023年には力学・波動・電磁気を融合した装置が出題 |
| 第3問: 波動・熱力学・原子 | 熱力学と力学は融合問題がよく出題(2025年)。ドップラー効果、干渉、屈折などが頻出。原子は他分野との融合形式で出題されることが多い |
参考書リスト
| カテゴリ | 参考書 | 目安時間 |
|---|---|---|
| インプット | 宇宙一わかりやすい高校物理、物理教室、新・物理入門(難) | 70-100時間 |
| 基礎固め | リードα、良問の風、体系物理 | 100-200時間 |
| 問題演習 | 名問の森、新物理入門問題演習、難問題の系統とその解き方 | 100-300時間 |
| 過去問 | 赤本、鉄緑会東大物理問題集、模試の過去問 | 60時間〜 |
おおよその目安:
- 東大理一 → インプット1冊 + 基礎固め1冊 + 問題演習2冊 + 過去問
- 東大理三 → インプット2冊 + 基礎固め1冊 + 問題演習3冊 + 過去問 + 模試の過去問
物理学習ルート(理一合格者平均)
モデルルート(理一合格者平均 36/60)
高1
- 4月-8月:物理教室
- 8月-11月:リードα
高2
- 4月-8月:良問の風
- 目標:共通テスト80%
高3
- 4月-8月:名門の森、新物理入門、難系例題
- 8月-11月:東大過去問20年&問題演習
- 11月-2月:弱点補強
- 成績:東大模試偏差値55→60、東大本試36/60
実例
東大理一独学現役合格:本試46/60
高1で物理教室とリードαを完成。高2で良問の風を進め、共通テスト80%を達成。高3で名問の森と難系例題を消化し、東大過去問20年を徹底演習。本番で46点を獲得。
東大理三独学現役合格:本試47/60
高1から新・物理入門で微積物理を習得。高2で名問の森と難問題の系統とその解き方を進め、高3で東大過去問と模試過去問を徹底的に演習。本番で47点を獲得。
科目別戦略:化学編(60点満点)
科目特性と大局観
穴のない暗記を行う。現象の背景を徹底的に理解する
- 基本情報:努力で得点が伸びやすい。難解な理論が少なく、必要な知識を押さえれば、あとは題意の把握と計算力を鍛えるために問題演習をすることで力が伸びていく
- 東大化学の特徴:
- 物理と同様、融合問題が出題される。実験操作や現象の理由を問う論述問題も多く出題される
- 圧倒的に分量が多く、高速な処理能力と、問題を取捨選択する判断力が求められる
伸び悩む理由
- 一問一答で答えられる暗記問題に穴があり、即答ができない
- 現象を暗記しているだけで、なぜそうなるのか背景を化学的に説明できない
- 解答に直接必要のない文章までじっくりと読んでしまっている
- 計算処理の速度と正確性に欠ける
- 基本的な性質や反応式を十分に暗記し、穴のない知識を作る
- 現象や実験操作の背景を理解する
- 東大化学のリード文から解答に必要な要素だけを素早く拾い上げる
- インプット用のノートや小冊子を作成
分野別出題形式
| 大問 | 出題概要 |
|---|---|
| 第1問: 有機化学 | 構造決定、高分子から出題されることが多い。有機化合物の立体的な構造について考察させるパズルのような問題もよく出題。2025年では有機化合物の精製実験の操作方法も出題 |
| 第2問: 無機・理論化学 | 結晶格子や溶解平衡など理論化学との融合問題が多い。各元素やその化合物の性質、代表的な反応の理由まで問われる |
| 第3問: 理論・無機化学 | 電離平衡、化学平衡、気体、結晶格子、熱化学などから幅広く出題。グラフを用いた定性的な考察を要求することが多い |
参考書リスト
| カテゴリ | 参考書 | 目安時間 |
|---|---|---|
| インプット | Doシリーズ、原点からの化学(難) | 100-150時間 |
| 基礎固め | リードα、セミナー化学 | 100-200時間 |
| 問題演習 | 重要問題集、化学の新演習、化学の新体系問題集発展編 | 120-300時間 |
| 過去問 | 赤本、鉄緑会東大化学問題集、模試の過去問 | 60時間〜 |
おおよその目安:
- 東大理一 → インプット1冊 + 基礎固め1冊 + 問題演習1-2冊 + 過去問
- 東大理三 → インプット1,2冊 + 基礎固め1冊 + 問題演習2,3冊 + 過去問&模試の過去問
化学学習ルート(理一合格者平均)
モデルルート(理一合格者平均 36/60)
高1
- 4月-8月:Doシリーズ
- 8月-11月:セミナー化学
高2
- 目標:共通テスト80%
高3
- 4月-8月:東大過去問20年&重要問題集、化学の新演習
- 8月-11月:弱点補強
- 成績:東大模試偏差値55→60、東大本試36/60
実例
東大理一独学現役合格:本試48/60
高1でDoシリーズとセミナー化学を完成。高2で重要問題集を進め、共通テスト80%を達成。高3で東大過去問20年と化学の新演習を消化し、本番で48点を獲得。
東大理三独学現役合格:本試41/60
高1でDoシリーズと原点からの化学を完成。高2でセミナー化学と重要問題集を進め、高3で化学の新演習と東大過去問を徹底演習。本番で41点を獲得。
科目別戦略:生物編(60点満点)
科目特性と大局観
理系生物の科目特性
- 基本情報:
- 設問文の読解コストは化学よりも大きい
- 大問を通して設問文の設定を使うため、他科目よりワーキングメモリの要求が大きい
- 生物学的センスはinputによって後天的に伸ばしやすい
- 東大生物の特徴:
- 知識問題は侮れない:低コストで得点を稼げるから、しっかり得点したい
- 記述問題が多い:知識事項の記述とその場で実験内容から考察する記述がある
- 勉強量が報われやすい:知識・考察いずれの問題も、経験していることが有利に働く
伸び悩む理由
- 解ける問題のレベル上限がそもそも低い
- 時間制限によって解けるはずの問題が解けていない
- 教科書内容の再現ができることが最重要
- 典型経験を積み、東大型問題演習へ進む
学習順序
第一段階(知識習得):教科書・図説、傍用問題集、用語集・入試基礎問題集 → 目標20/60
第二段階(典型経験):教科書・図説、入試標準問題集 → 目標40/60
第三段階:東大型問題演習
参考書リスト
| 分野 | 参考書 |
|---|---|
| 教科書 | 検定教科書、生物合格77講 |
| 傍用問題 | セミナー生物 |
| 入試基礎 | 生物問題集合格177問 入試必修編、生物総合40題 |
| 入試標準 | 生物問題集合格100問 定番難問編、生物 新・考える問題100選、駿台季節講習『生物★トリプルミラクル』 |
| 特殊対策 | 大森徹の生物 記述・論述問題の解法、生物遺伝問題の計算革命、生物実験考察問題入門 |
| 東大型 | 東大の生物25ヵ年 |
生物学習ルート(36/60目標)
モデルルート(生物を武器に 36/60)
高2
- 4月-8月:教科書傍用問題集・用語集(受験に向けて基礎をスタート)
- 8月-11月:合格177問(範囲学習が修了)
- 11月-2月:東大過去問25ヵ年(同日受験目標15点)
高3
- 4月-8月:合格177問
- 8月-11月:合格100問
- 11月-2月:近い年度から遡る
- 成績:東大模試偏差値50→60、東大本試36/60
科目別戦略:国語編(80点満点)
科目特性と大局観
意外と差がつく、盲点になる科目である
- 基本情報:
- 古典は努力で得点が伸びやすい。全教科で唯一時間に余裕のある科目であり、得点が安定しやすい
- 現代文は、これまでの人生で蓄積した語彙力と読解力に大きく依存する
- 東大国語の特徴:
- 分量は多くなく、落ち着いて解ける。古典の文学史などの細かい知識は問われない
- 日本語訳と、内容説明がきちんとできることが問われる
伸び悩む理由
- 語彙力や読解力が低く、文章の内容そのものを理解できない
- 古典文法に穴があり、適当に訳出して減点される
- 採点基準を理解せず、答案にどの要素を含める必要があるのかを考えていない
- 基本的な古典文法と漢文句法、漢字の意味を理解し、正確に訳出できるように
- 採点基準を理解する(東進の東大模試の採点基準は公開されている)
- 鉄緑会東大古典問題集で採点ポイントを学ぶ
分野別出題形式
| 大問 | 出題概要 |
|---|---|
| 第1問: 現代文 | 評論文を読んで、二行で記述する内容説明問題3題と、本文全体の趣旨を踏まえて解答する120字の説明問題1題 |
| 第2問: 古文 | 古文を日本語に訳出する問題が3題。正確な古文単語の理解と、古典文法の理解が求められる。他に内容・心情説明問題 |
| 第3問: 漢文 | 漢文を日本語に訳出する問題が3題。正確な漢文句法の理解と、漢字の解釈が重要。他に内容説明問題 |
参考書リスト
| カテゴリ | 参考書 | 目安時間 |
|---|---|---|
| インプット | 現代文キーワード読解、読んでみて覚える古文単語、吉野の古典文法暗記帳、漢文ヤマのヤマ、句形とキーワード(重い) | 20-50時間 |
| 基礎固め | 読み解き古文単語、共通テストスゴ技シリーズ、共通テスト満点のコツシリーズ | 50時間 |
| 問題演習 | 共通テスト形式の演習 | 150時間 |
| 過去問 | 赤本、鉄緑会東大古典問題集 | 20-50時間 |
おおよその目安:
- 東大理一 → インプット2冊 + 基礎固め1冊 + 問題演習 + 過去問
- 東大理三 → インプット3,4冊 + 基礎固め2-3冊 + 問題演習 + 過去問
国語学習ルート(40/80目標)
モデルルート(本試40/80)
高1
- 4月-8月:古文単語315
- 8月-11月:古典文法
- 11月-2月:キーワード読解
高2
- 4月-8月:古文単語315、スゴ技9割
- 8月-11月:古典文法、漢文ヤマのヤマ
- 11月-2月:満点のコツ、共通テスト形式の演習
- 目標:共通テスト80%
高3
- 4月-8月:鉄緑会東大古典問題集
- 成績:東大模試偏差値55→60、東大本試40/80
実例(本試54/80)
東大理三独学現役合格の軌跡
高1で古文単語315と吉野の古典文法を完成。高2で漢文ヤマのヤマと共通テスト形式の演習を進め、共通テスト85%を達成。高3で鉄緑会東大古典問題集と読み解き古文単語、句形とキーワードを消化し、本番で54点を獲得。
モデルルート(東大理系志望)
高1
| 時期 | 英語 | 数学 | 理科 |
|---|---|---|---|
| 4〜8月 | ネクステ | 教科書+青チャート1A2B3 | - |
| 8〜11月 | 鉄壁、肘井学(必修編) | 新スタ演1A2B3 | 物理教室、Doシリーズ |
| 11〜2月 | 肘井学(難関)、The Rules 3,4 | 1対1 1A2B3 | リードα、セミナー化学 |
高2
| 時期 | 英語 | 数学 | 理科 | 国語 |
|---|---|---|---|---|
| 4〜8月 | 透視図、長文レベル別5,6 | (復習・演習) | 良問の風、重要問題集 | 古文単語315、スゴ技9割 |
| 8〜11月 | 速読英単語上級編、速読英熟語 | (復習・演習) | 名問の森、新演習 | 漢文ヤマのヤマ |
| 11〜2月 | 共テ85%→90%目標 | 共テ85%→90%目標 | 共テ80%目標 | 満点のコツ |
高3
| 時期 | 英語 | 数学 | 理科 | 国語 |
|---|---|---|---|---|
| 4〜8月 | 東大過去問2018-、模試過去問、英文要旨要約問題の解法 | 東大過去問20年&新数学演習 | 東大過去問20年&問題演習 | 鉄緑会東大古典問題集 |
| 8〜11月 | キムタツピンク、基礎英作文問題精講 | 掌握 | 弱点補強 | - |
| 11〜2月 | キムタツ赤、竹岡の英作文、良問500 | 弱点補強 | 弱点補強 | - |
3年間の全体像
実際の合格者の得点例
東大理一合格者(独学・現役)
| 科目 | 得点 |
|---|---|
| 共通テスト | 102/110 |
| 国語 | 42/80 |
| 数学 | 116/120(6完) |
| 物理 | 46/60 |
| 化学 | 48/60 |
| 英語 | 78/120 |
| 合計 | 432/550 |
東大理三合格者(独学・現役)
| 科目 | 得点 |
|---|---|
| 共通テスト | 104/110 |
| 国語 | 54/80 |
| 数学 | 80+/120 |
| 物理 | 47/60 |
| 化学 | 41/60 |
| 英語 | 94/120 |
| 合計 | 420+/550 |
- 合計340点が目安
- 数学2完2半でOK
- 苦手科目があっても挽回可能
- 合計390点が目安
- 数学3完以上が必要
- 全科目で高水準が求められる
まとめ
- 目標得点を明確に:理一・二は340点、理三は390点を目安に
- 自分のタイプを把握:数学の得意/苦手、努力量に応じた戦略を立てる
- 科目別に優先順位をつける:得意科目で稼ぎ、苦手科目は最低限を確保
- 参考書は定番を確実に:青チャート、鉄壁、名問の森など実績のある教材を使う
- 過去問は20年分:東大の傾向を体に染み込ませる
東大入試は、正しい戦略と十分な努力があれば、確実に合格できる試験です。
“If You Act the Genius, You Will Be One.” (天才に成るには、天才のふりをすればいい) — サルバドール・ダリ
自分の可能性を信じ、まだ見ぬ才能を解き放ってください!